【ふるさとデザイナーの視点①】

『遊びと仕事で人生をデザインする〜アデリー小野悟会長の講義からリスキリングの極意を学ぶ。』

人生すべてが「実験」と「デザイン」

こんにちは、アクト・スリーの綿谷(わただに)です。 僕は山口県のようなローカル地域の課題を解決するために、広告代理店を経営する起業家としては「伴走・伴奏・伴創」を理念に掲げて、産官学金が連携して課題解決に向かうソーシャルデザインを仕事にする事業として。 もう一つの側面として山口大学大学院創成科学研究科に通う後期博士課程の学生として、[アントレプレナーシップ学を核とした創成人材育成術とその活用法]という論文執筆を目的とした研究のための場創りをしています。

この度、山口県新たな時代の人づくり協働推進事業補助金 に採択いただいた「ふるさとデザインスコーレ2025」は、弊社にとってはソーシャリデザイナー育成というスクール的な事業やコミュニティー創出を目指す事業でありながらも僕や仲間たちにとっては、地域にリスキリングという学び方を確立するエコシステムを実現するために実証する研究でもあるんです。

さて、この度のレポートは、2025年9月13日(土) アデリー株式会社 Riverside Messe1942にて開催された[第1回ふるさとデザインスコーレ2025]にご登壇いただいた、柳井市からギフト事業を全国区に押し上げた小野悟会長(株式会社アデリー)の講義を僕なりにまとめてみました。 会長のメッセージは、単なる経営論じゃなく、「人生をどう遊ぶか」という人生観そのものの話で、「遊ぶように学ぶ」がテーマのふるD(ふるさとデザインスコーレの略) に、見事にフィットしていただいた講師さまです。

〈中小企業団体中央会主催のピッチ大会で審査員を務めていただいた時の小野会長〉

小野会長は、人生そのものをプロデュースし、社員全員を巻き込んで「心地よいお金の稼ぎ方、使い方」 を実践している、正にふるさとデザインスコーレにより創出を目指す[ふるさとをデザインすることのできる人材=ソーシャルデザイナー=ふるさとデザイナーを体現されている方です。

特に印象的だったのは、その哲学を自作曲で表現しちゃう、その本気で遊ぶ心。 一曲の予定がなんだかんだで3曲演奏。

さて、今回の講義で学んだ、人生を豊かにするための「哲学講義」

これは僕個人の解釈であり、僕なりの概略です。 答え合わせはアーカイブ動画をご覧ください。 小野会長の声で、講義スライドで、学びが一層深まるはず。 ただ小野会長が発する熱量、そして参加者の熱気、 これだけは参加した人じゃないと伝わらない。 人が動き出す力はきっと理論ではなく、この熱量なんだと。

序章:常識は邪魔でしかない

「何にも分からず店を出す」というスタートアップの極意

• 「デザイン」って、結局、何?— 人生も商売も、友達付き合いもすべてがデザインであるという定義。

「人が辞める」という最大の苦難

24歳、脱サラして何も分からずに創業。正月明けに退職を願い出る社員。この痛みこそが、「すべて人」という確固たる基本理念を作った。

1. 儲けの構造を変える「与える人生」の哲学

• なぜボランティアじゃダメなのか?— 「私が幸せになるために与えさせて頂く人生を目指す」という、自己中心的なGiverの定義。

• 「僕のほうこそ、ありがとうなんです」 与える方が受け取る方より絶対に幸せだから、感謝するのは与える側であるという独自の理論。

• 人生の答えは、年老いて必ず出る 欲得損得を超えて、「与える方が得であり儲けである」という確信。

2. 嫌な仕事から解放される「遊働」の設計図

人生の2/7を苦痛に費やすな 土日を遊ぶために嫌な仕事を過ごすのは本末転倒。仕事は最高に楽しまなければならない。

会社は「舞台」である 会社が遊びの舞台を作り、楽しく演じるのはあなた自身であるという、従業員との新しい関係性。

教育費じゃなく「福利厚生費」 人生の話、幸せの話が8割。指導ではなく、人生に寄り添うことが、離職率を6.7%に抑える秘訣。

3. 苦難を「チャンス」に変えるモルヒネ哲学

苦難は敵じゃない、味方だ 苦痛の姿をとった「正義の友」。挑戦すると必ず起こる苦難は「今あなたにとってチャンスなんだよ」というサイン。

人生の「青(辛いこと)」に痛み止めを打て 辛いことを青、良いことを赤とし、痛みを青しか感じないようにする精神的なモルヒネの発想。

Yの法則の教訓 楽な方に逃げた先に、何も残らないという残酷な真実。

4. 【本音すぎる自作曲】人生の「右か左か」の残酷な選択 講演で3曲を歌い切る、その熱量 自作曲「俺の人生」に込めた脱サラと創業の思い。

電車で弁当の食べかすを拾うおじさん 過去の「柳井大戦争」を経験した時に感じた、人生のわずかな差。

右に回れと、せかされました 風向きや風の流れによる人生の分岐点。人生をデザインするとは、この選択の重さを受け入れること。

5. 77歳で「今が旬」だと断言できる努力コスト 「今が旬」は作れる 77歳にして「今が旬」だと言い切れる背景。それは雰囲気や後ろ姿が、一生懸命努力し続けた結果として作られるから。

コスト=努力 今、コスト(努力)を払って大きな報酬を手に入れるか、今、楽をして将来何も得られないか。

点ではなく、線で人生を捉える 計画こそがすべて。27歳から欠かさず作成してきた経営計画書


[小野会長講義動画]「ふるさとで働く誇りと喜び」

テーマ「ふるさとで働く誇りと喜び」
動画目次
00:00 – イントロダクション ・小野悟会長の挨拶 ・リバーサイドメッセの紹介
01:07 – デザインの重要性 ・デザインは全てに関わる ・人生や商売におけるデザインの考え方
02:46 – 創業の思い出 ・会社設立の経緯 ・初期の苦労と人との関わり
06:25 – 音楽の紹介(見どころ!) ・自作曲「俺の人生」の演奏 ・曲のテーマと背景
11:03 – 会社の成長 ・売上の成長と受賞歴 ・創業からの道のり
12:37 – 今後の課題 ・ITや技術の進化に対する考え ・会社のビジョン
15:54 – 企業理念 ・「与える人生」の理念 ・多様性と共通の価値観の重要性
19:23 – 働くことの意義 ・楽しむことと仕事の関係 ・働くことを遊びにする考え方
22:01 – 苦難感の重要性 ・苦難を味方にする考え方 ・挑戦の中での成長
25:03 – コマーシャルの紹介 ・会社のイメージと広告戦略 ・若者へのアプローチ
28:25 – 人生の選択 ・良いことと悪いことの両方を受け入れる ・哲学的な視点からの人生観

[参考資料] 株式会社アデリーホームページ 2025 adelie 新CM 「河村勇輝選手~ゼロからの挑戦編」

[第1回ふるさとデザインスコーレ2025]全講義の動画